選定ガイド
PVケーブルの選び方 — sqサイズの選定と電圧降下の考え方
ケーブル選定の基本手順
PVケーブルのサイズ選定は、次の3ステップで考えるのが基本です。
- ステップ1:流れる電流を確認する(ストリング電流)
- ステップ2:配線距離を確認する(パネル〜接続箱〜パワコン)
- ステップ3:電圧降下を計算し、許容範囲に収まるサイズを選ぶ
ステップ1:ストリング電流の確認
設計電流は、使用するパネルの短絡電流(Isc)に安全率1.25を掛けた値を目安にします。例えばIscが11Aのパネルなら、11A × 1.25 = 約14Aが設計電流です。
近年の高出力パネルはIscが大きくなる傾向があるため、従来の感覚で細いケーブルを選ぶと余裕が不足することがあります。必ず実際に使用するパネルの仕様書で確認してください。
ステップ2・3:配線距離と電圧降下の計算
直流回路の電圧降下は、次の式で概算できます(銅導体の場合)。
電圧降下[V] ≒ 2 × 配線長[m] × 電流[A] × 0.0175 ÷ 断面積[sq]
例:4.0sqで片道50m・電流10Aの場合 → 2 × 50 × 10 × 0.0175 ÷ 4.0 = 約4.4V。システム電圧がDC600Vなら電圧降下率は約0.7%です。
電圧降下率は一般に2〜3%以内が目安とされます。降下が大きいと発電した電力をロスし続けることになるため、長距離配線では太めのサイズを選ぶのが結果的に経済的です。
サイズ別の適用目安
同一案件でも「パネル間は3.5sq、接続箱〜パワコンの長距離区間は5.5sq」のように区間ごとに使い分けるのが実務では一般的です。
- 3.5sq — 住宅用・小規模低圧案件の標準。短めの配線距離向け
- 4.0sq — 低圧〜高圧案件まで対応する汎用サイズ。迷ったらまず検討
- 5.5sq — 長距離配線・大電流ストリング・特高案件。電圧降下を抑えたい場合
巻長(500m/1000m)と色の選び方
- 必要m数から巻数を逆算 — 端材ロスを見込み1割程度の余裕を持つと安心
- 1000m巻は単価面で有利、500m巻は小規模案件や区間ごとの使い分けに便利
- 黒・白ライン入りの2色 — プラス/マイナスの極性識別に使い分けると施工・保守が楽
よくある選定ミス
案件の条件(パネル仕様・距離・システム電圧)をお知らせいただければ、適したサイズ・数量のご提案も承ります。お気軽にご相談ください。
- 距離を「片道」で計算してしまう(直流は往復2倍で計算)
- パネルの高出力化を考慮せず従来サイズを流用する
- 必要m数ぴったりで発注し、現場で端材ロス分が不足する
- 認証(JET)の要否を確認せず、申請段階で手戻りになる