蓄電所の直流配線:60sqまでのPVケーブルと、その先の高圧ケーブル
直流側は2つの区間に分かれる
蓄電所の直流配線は、一本のケーブルで通すのではなく、電流の大きさによって区間を分けて構成します。分ける理由は、電技解釈でPVケーブルを使用できる導体断面積が60mm²以下に限られているためです。
- 電池ラック/クラスタ → 直流集電箱:PVケーブル(PV-CC/PV-CQ、60sq以下)
- 直流集電箱 → PCS:60sqを超えるため高圧CV・CVTケーブル
直流電圧は1500Vが主流になった
PCSメーカーの資料では、蓄電池の大容量化にともない直流電圧は1500V仕様が主流になったとされています。従来機種の直流電圧範囲が1250Vだったのに対し、新しい機種では1500Vに対応しています。
ただし直流電圧範囲が550〜1000Vという機種も現役で使われており、1000V系がなくなったわけではありません。案件ごとにPCSの仕様を確認する必要があります。
注意したいのは電圧種別です。直流は750Vを超えると高圧に区分されるため、DC1500V系はすべて高圧直流として扱われます。この点が、使用できるケーブルの条件に直結します。
サイズはPCSの直流電流から決まる
前提として、電技解釈の60mm²は「これを超えるPVケーブルは使えない」という上限であり、蓄電所のケーブルが60sqに決まるという意味ではありません。実際のサイズは、その回路に流れる電流から決めます。
ケーブルサイズは、そのPCSが扱う直流電流から逆算します。分散型のPCS(170〜200kW級)では最大直流電流が200A前後になるため、38sq〜60sqのPVケーブルで収まります。
一方、集中型のPCS(700〜3,000kVA級)になると直流電流の桁が変わります。この場合は直流集電箱で並列に集約したうえで、そこから先に太い幹線を張る構成が必要です。
- PV-CC 単心の許容電流:8sq=75A/14sq=105A/22sq=140A/38sq=200A/60sq=270A
- PV-CCD 2心よりの許容電流:14sq=93A/22sq=125A/38sq=175A/60sq=235A
- 電池ラック単位の出線は電流が小さく、8sq〜22sqで足りる回路も多い
- 集約してPCSへ向かう区間で38sq〜60sqになる
- ※気中暗渠・1条・基底温度40℃での目安。実際の敷設条件で補正が必要
60sqを超える幹線側
直流集電箱から先は、PVケーブルの適用範囲(60sq以下)を超えるため、高圧CV・CVTケーブルを使用します。金属遮蔽層を持つ高圧ケーブルであれば、電技解釈第10条第1項の要求を満たします。
この線引きを設計段階で誤ると、竣工前の検査で不適合が判明し、ケーブルの引き直しという大きな手戻りになります。直流側の資材を検討する段階で、どこまでがPVケーブルでどこからが高圧ケーブルかを決めておくことをおすすめします。
海外製電池を使うときの落とし穴
見落とされがちなのが、電池側の端子サイズと日本の流通サイズの不整合です。海外製の蓄電池はIEC系のサイズ(95/120/150/185/240mm²)を前提に端子が設計されている一方、日本国内で流通しているのはJIS系のサイズ(100/150/200/250/325mm²)です。
とくに95sqと100sqは合わないため、海外製電池を採用する案件では専用の手配が必要になります。設計段階で電池メーカーの端子仕様を確認しておくと、現場での手戻りを防げます。
当店の対応
PV-CC1500Vケーブル(JCS4517・S-JET認証品)は、3.5sq/4.0sq/5.5sqを在庫品として、8sq/14sq/22sq/38sq/60sqを受注発注にて手配しています。
60sqを超える幹線側の高圧CV・CVTケーブルも受注発注・都度見積にて承っています。PCSの容量・台数と配線距離をお知らせいただければ、サイズ選定を含めてご提案します。