基礎知識

系統用蓄電池(蓄電所)とは?設備構成と電気の流れ

蓄電所とは

蓄電所(系統用蓄電池)とは、電力系統に直接つないで充放電を行う大規模な蓄電設備のことです。太陽光発電に併設する自家消費用の蓄電池とは異なり、電力市場での取引や需給調整を目的として単独で設置されます。

再生可能エネルギーの出力変動を吸収し、余った電力を貯めて必要なときに放出する役割を担うため、国の政策としても導入が後押しされています。

設備構成と電気の流れ

蓄電所は電池だけでは動きません。充電時は系統から受けた交流をPCSで直流に変換して電池へ、放電時は電池の直流をPCSで交流に戻して昇圧変圧器を経て系統へ送ります。この双方向の流れが太陽光発電所との大きな違いです。

  • 蓄電池コンテナ/ラック — リチウムイオン電池本体。BMS(バッテリーマネジメントシステム)が電圧・温度・充電状態を監視する
  • 直流集電箱 — 複数の電池ラックからの直流回路をまとめる
  • PCS(パワーコンディショナ) — 直流と交流を相互に変換する。蓄電所では双方向動作が必要
  • 昇圧変圧器 — PCSの交流出力(400V級が多い)を系統電圧まで昇圧する
  • 受変電設備 — 系統との接続点。遮断器・保護継電器などを収める
  • EMS(エネルギーマネジメントシステム) — 市場価格や需給指令に応じて充放電を制御する

規模による3つの区分

蓄電所は出力規模によって連系する電圧階級が変わり、必要な設備も大きく変わります。

  • 低圧(原則50kW未満) — 高圧受変電設備が不要。用地も小さく済む
  • 高圧(50kW〜2MW未満) — 高圧受変電設備が必要。6.6kVで連系する
  • 特別高圧(2MW以上) — 22kV/33kV/66kVなどで連系する大型案件

市場は急速に立ち上がっている

系統に接続済みの蓄電池容量は、2024年12月時点で約17万kWだったものが、2025年12月末には約64万kWまで増えました。1年で約3.8倍です。

さらに接続検討の受付中容量は約1億7,200万kWに達しており、すでに連系済みの容量をはるかに上回る案件が控えています。2024年度の接続検討の申込件数では、蓄電池が全体の約66%を占め、太陽光を上回りました。

経済産業省の系統用蓄電池等導入支援事業も、2025年度は37件・約363億円と過去最大規模となっています。

各区間で必要になるケーブル

資材調達の視点で見ると、蓄電所の配線は直流側と交流側で必要なケーブルがはっきり分かれます。

  • 電池ラック → 直流集電箱 — PVケーブル(PV-CC等、導体60sq以下)
  • 直流集電箱 → PCS — 60sqを超える幹線となるため高圧CV・CVT
  • PCS → 昇圧変圧器 → 受変電 — 600V CVT/6600V CVT-EEなど
  • 制御・監視回路 — CVV/CVVS(遮へい付制御用ケーブル)など
  • 接地 — IV/EM-IE、高圧盤内はKIP など

当店の対応

PVCABLE.JPでは、蓄電所の直流側に使えるPV-CC1500Vケーブル(JCS4517・S-JET認証品)を3.5sq〜60sqの範囲で、交流側の600V CVT/6600V CVT-EEケーブルを受注発注にて承っています。

直流側と交流側をまとめてご相談いただけます。案件の構成(PCS容量・台数・配線距離)をお知らせいただければ、サイズ選定のご相談から対応します。